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モータースポーツが面白い

モータースポーツが面白い KONDO Racing 日産・自動車大学校 SUPER 耐久 共同プロジェクト

年間優勝を決めたチームのピットクルーには学生がいた。

シリーズ2016 第5戦、年間優勝を決めたその裏側に…
「勝つことの喜びは、何物にも代えがたいですよね」と語る日産愛知自動車大学校の田中篤司校長。KONDOレーシングとスーパー耐久レース(以降、S耐)に参戦、過去4年間、結果がなかなかついてこなかったからこそ出てくる、深みのある言葉
S耐シリーズ2016、参戦5年目を迎え、もしかしたら年間優勝も狙えるかもしれない…という手応えはあった。そして、シリーズが後半に入り佳境を迎える第5戦・岡山国際サーキット。最終戦を残し、KONDOレーシングがシリーズ年間優勝を決め、5年間に渡る日産・自動車大学校との『S耐共同プロジェクト』が結実した。KONDOレーシング・近藤真彦監督はレース後、ドライバー・メカニック・サポートスタッフ一人ひとりと握手を交わす。そんな歓喜に湧くピットクルーに日産・自動車大学校の学生がいた。

2012年、周囲を驚かすプロジェクトが動き始める。
プロジェクトがスタートするきっかけは、2011年12月まで遡る。当時、KONDOレーシングの近藤監督は若者の車離れを危惧していた。
時を同じくして、未来のメカニックを養成する日産・自動車大学校の講師陣は、自動車整備という厳しい世界で生き抜くためには、本当の車好きでないと務まらないと懸念していた。「若い人に車をもっと好きになってもらう必要があるのではないか」。
そのように考えていた双方の意見が合致。「まずは、S耐に出ることから始める」という思いひとつで、プロジェクト発足に向け歩みを進めていく。S耐とは市販車ベースを改造した車両によって行われ、規定時間内の周回数を競う耐久レース。長い時間レースに関わることで、学べることも数多くある。これらを通じ、学生たちに車を好きになってもらうことをテーマに、『S耐共同プロジェクト』が始動することになった。

プロの現場で揉まれた学生が少しずつ覚醒していく。
なるべく多くの学生に参加してもらいたいというコンセプトの『S耐共同プロジェクト』。1つのレースには60人の学生が参加。タイヤ交換や燃料補充、車磨きなど、ピットにてメカニックを補助する「メカニックサポート」、ドライバーやメカニック、スポンサー、お招きしたお客様にお茶や食事の提供、ご案内などのおもてなしを行う「マネジメント」、サーキットでのレース結果や日々の活動内容を報告する「広報」の3つの役割に分かれる。「メカニック」「マネジメント」を担当する学生は、1グループ6人のローテーション制で両方の業務に当たることになる。
実際にはレース参戦初日は現場の緊張感に飲み込まれ、戸惑い何もできずに終わる学生がしばしば見受けられる。さらには、ピットでの整備やスポンサーへの対応を間違えたりする者もいる。しかし、学生たちが持つ高い潜在能力を信じ、可能な限り任せる。学生たちもそれに応えるように、同じ失敗を再度指摘されないよう試行錯誤を経て、正確に迅速に対応していく。これらの働きを近藤監督も見ており、「なかなか頑張っているじゃないか!」と目を細めた。S耐を通じ、「タフな人間力」を育成していることも証明した出来事といえるだろう。
蓄積し続けたノウハウ、そして、栄光の年間優勝へ。
学生参加型の『S耐共同プロジェクト』は、1年が終わると参加する学生の代替わりがある。経験を積んだ学生がいなくなるのだから、普通なら、イチからのスタートを余儀なくされるだろう。
しかし、学生たちは密に連携を図る。開幕戦が開催されるツインリンクもてぎにOBと現役のリーダーが集まり、夜遅くまで話し合いを重ねる。リーダー同士でテレビ会議による熱の込もった討論も繰り広げる。1年1年培ってきたレースでの経験・ノウハウをバトンとして、後輩に受け継いでいく。これらは、KONDOレーシングのスタッフと関わっていく中で、学生たちが自主的に考えて行ってきたことだ。
そして、プロジェクト始動より足掛け5年弱、KONDOレーシングは遂にS耐で頂点に立った。車のコンディション、ドライバー、メカニック、監督、そして「勝ちたい」というレースへの熱意。すべてのバランスが取れたチームが完成し、優勝4回、2位1回、3位1回と圧倒的な成績でシリーズ年間優勝という栄光を手にしたのだ。
プロレースの世界で揉まれ、チャンピオンチームとしての緊張感を味わった学生たち。人として格段と大きくなり、日々の学校生活に戻っていく。

texcy luxe × KONDO Racing Team

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極限のスピードを競い合うモータースポーツのDNAを踏襲したビジネスシューズ。ドライバーを包み込むシートを連想させる内側のホールド感と、接地面の各部位に適した硬度のラバーを使用しグリップの向上を実現している。発売まで、乞うご期待!

協力:日産・自動車大学校   https://www.nissan-gakuen.ac.jp